タイヤ販売店の業務に不可欠な廃タイヤの取扱いについて、現在の法令等を踏まえた適正な回収方法や処理方法を下記のマニュアルに取りまとめましたので、ご覧ください。
JATMAでは、当会会員企業やその系列販売会社/販売店を対象とした、廃タイヤの適正処理研修会をご要望に応じ、随時開催致します。ご希望の日時や内容等、まずはご相談ください。
なお、当会会員企業以外の販売会社/販売店につきましても、できるだけご要望にお応え致しますので、お問合せください。
※当会会員メーカー/会員メーカー系列販売会社が主催の場合は、費用は頂きません。
※1)資料はデータでのお渡しとなります。印刷は各自でお願いします。
※2)講師の移動距離/時間によって、ご相談させて頂く場合があります。
※3)JATMA旅費規程に準じます
研修会の御希望は… info-recycle@jatma.or.jp
【記入事項】
① 会社名 ② 担当者名 ③ 担当者連絡先(メールアドレス)
④ 業態区分(下記から選択)
⑤ 取引先タイヤメーカー/販売会社(下記から選択)
廃タイヤの処理委託契約を行う際に必要な委託契約書の雛型を用意いたしました。
契約当事者間の交渉により、内容の変更もしくは削除、新たな条項の追加等は必要に応じて行ってください。なお、廃棄物処理法で定められた記載事項は削除できません。
契約書雛型(ワード形式)
日本国内における2022年(1~12月)の廃タイヤ(使用済みタイヤ)の発生量は、「タイヤ取替時」「廃車時」の合計で、本数で9,200万本、重量で100万8,000トンと、前年と比較して本数で100万本、重量で2万1,000トン増加しました。
①タイヤ取替時
「タイヤ取替時」の発生量は、本数で8,000万本、重量で89万1,000トンと、前年と比較して本数、重量ともに増加し、コロナ禍前の2019年と同等水準となりました。
②廃車時
「廃車時」の発生量は、本数で1,200万本、重量で11万7,000トンと、前年と比較して、本数、重量ともに減少しました。2022年は新車販売が減少し下取り車も減少。廃車時の廃タイヤ発生量も減少となりました。
単位:本数/百万本、重量/千トン、構成比・前年比/%
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
本数 | 重量 | 構成比 | 本数 | 重量 | 構成比 | 本数 | 重量 | 構成比 | 本数 | 重量 | 構成比 | 本数 | 重量 | 構成比 | 対前年比 | |||||||
本数 | 重量 | 本数 | 重量 | 本数 | 重量 | 本数 | 重量 | 本数 | 重量 | 本数 | 重量 | |||||||||||
タイヤ取替時 | 82 | 892 | 85 | 86 | 81 | 884 | 84 | 86 | 73 | 806 | 85 | 86 | 77 | 854 | 85 | 87 | 80 | 891 | 87 | 88 | 104 | 104 |
廃車時 | 14 | 140 | 15 | 14 | 15 | 142 | 16 | 14 | 13 | 131 | 15 | 14 | 14 | 133 | 15 | 13 | 12 | 117 | 13 | 12 | 85 | 88 |
合 計 | 96 | 1,032 | 100 | 100 | 96 | 1,026 | 100 | 100 | 86 | 937 | 100 | 100 | 91 | 987 | 100 | 100 | 92 | 1,008 | 100 | 100 | 101 | 102 |
資料:JATMA
2022年のリサイクル利用量は、原形加工利用が前年比113%、熱利用が同104%、輸出が同126%と、いずれにおいても前年比プラスとなりました。リサイクル利用量の合計は前年より8万トン増加し、合計で98万4,000トンでした。
石炭等化石燃料の価格高騰により、代替燃料としての廃タイヤ需要が増大。また、今春の省エネ法の改正により、事業者は非化石燃料への更なる転換が求められることも廃タイヤの燃料需要を後押ししています。
単位:重量/千トン、構成比・前年比/%
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
重量 | 構成比 | 重量 | 構成比 | 重量 | 構成比 | 重量 | 構成比 | 重量 | 構成比 | 対前年比 | ||||
リサイクル利用 | 国内 | 原形加工利用 | 更生タイヤ台用 | 51 | 5 | 51 | 5 | 46 | 5 | 50 | 5 | 53 | 5 | 106 |
再生ゴム・ゴム粉 | 120 | 12 | 132 | 13 | 115 | 12 | 84 | 9 | 85 | 8 | 101 | |||
その他 (鉄原料を含む) |
1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 15 | 2 | 1,500 | |||
小計(A) | 172 | 17 | 183 | 18 | 162 | 17 | 135 | 14 | 153 | 15 | 113 | |||
熱利用 | 製紙工場(燃料) | 446 | 43 | 402 | 39 | 412 | 44 | 425 | 43 | 433 | 43 | 102 | ||
化学工場等(燃料) | 66 | 6 | 66 | 6 | 96 | 10 | 112 | 11 | 136 | 13 | 121 | |||
セメント工場 (原燃料) |
64 | 6 | 70 | 7 | 69 | 7 | 73 | 7 | 81 | 8 | 111 | |||
製鉄工場(原燃料) | 14 | 1 | 18 | 2 | 16 | 2 | 17 | 2 | 0 | 0 | 0 | |||
熱分解(原燃料) | 61 | 6 | 56 | 5 | 10 | 1 | 1 | 0 | 2 | 1 | 200 | |||
タイヤメーカー 工場(燃料) |
20 | 2 | 9 | 1 | 2 | 0 | 2 | 0 | 3 | 1 | 150 | |||
中・小ボイラー (燃料) |
3 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 3 | 1 | 5 | 1 | 167 | |||
小計(B) | 674 | 65 | 623 | 61 | 607 | 65 | 633 | 64 | 660 | 66 | 104 | |||
海外 | 輸出 | 中古タイヤ | 148 | 14 | 158 | 15 | 141 | 15 | 133 | 13 | 168 | 17 | 127 | |
原燃料用チップ/ カットタイヤ |
3 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 3 | 1 | 3 | 1 | 100 | |||
小計(C) | 151 | 15 | 160 | 16 | 143 | 15 | 136 | 14 | 171 | 17 | 126 | |||
リサイクル利用合計(A+B+C) | 997 | 97 | 966 | 94 | 912 | 97 | 904 | 92 | 984 | 98 | 109 | |||
埋め立て | 1 | 1 | 1 | 1 | 5 | 1 | 11 | 2 | 14 | 2 | 127 | |||
その他 | 34 | 3 | 59 | 6 | 20 | 2 | 72 | 7 | 9 | 1 | 13 | |||
小計(D) | 35 | 3 | 60 | 6 | 25 | 3 | 83 | 8 | 23 | 2 | 28 | |||
合計(A+B+C+D) | 1,032 | 100 | 1,026 | 100 | 937 | 100 | 987 | 100 | 1,008 | 100 | 102 |
資料:JATMA
※数値は四捨五入しているため、各項目を合算した値は合計(小計)項目の値と一致しない場合があります。
・当会が公表しているリサイクル状況は、日本国内で発生した廃タイヤ(使用済みタイヤ)の処理状況を把握するためのものであるため、ここには集計されていませんが、近年、国内の熱利用先が海外から廃タイヤの切断品/破砕品を有価購入する状況が続いています。2022年の年間輸入量は約7万9,900トンで、前年に比べ約5,000トン増加しています。
・廃タイヤの熱利用において、ビードワイヤー等の鉄素材を除去した破砕品の需要が増加しており、鉄素材は事前に分別されマテリアルリサイクルされていることから、今回から原形加工利用の「その他」の区分名を「その他(鉄原料を含む)」に変更し、これに含めることとしました。
・廃タイヤから油やカーボンブラック等を取り出すリサイクルについて、従来はガス化炉により行われていた為、区分名を「ガス化炉(原燃料)」としていましたが、このようなリサイクルを行う設備はガス化炉に限らないため、今回から「熱分解(原燃料)」としました。
※タイヤ販売会社、タイヤショップ、カー用品店、ガソリンスタンド、カーディーラー、整備工場等をいいます。
ただし、自動車用タイヤの販売事業を行なっていない者を除きます。
2023年2月調査時の合計数量は、76件、25,163トン。
昨年の調査時と比較して、件数は同数(内訳:撤去完了3件、新規判明3件)、重量は664トンの増加となりました。なお、3件の新規案件は、従来から集積されていた廃タイヤを自治体が不法投棄とみなしたことから新規に計上しました。当会としては、長期的には不法投棄された廃タイヤの総量は、今後とも減少傾向に推移していくものと考えています。
2022年 | 2023年 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
件数 | 重量 (トン) |
件数 | 重量 (トン) |
|||||
対前年増減 | ||||||||
件数 | 重量 (トン) |
|||||||
内訳 | ||||||||
撤去完了 | 新規判明 | |||||||
北海道 | 4 | 960 | 4 | 1,920 | 0 | 1 | 1 | 960 |
東北 | 20 | 3,890 | 19 | 3,875 | -1 | 1 | - | -15 |
関東甲信越 | 26 | 6,251 | 27 | 6,281 | 1 | - | 1 | 30 |
首都圏 | 9 | 1,830 | 9 | 1,819 | — | - | - | -11 |
中部 | 3 | 3,650 | 3 | 3,650 | — | - | - | 0 |
近畿 | 1 | 2,000 | 1 | 2,000 | — | - | - | 0 |
中国 | 3 | 365 | 3 | 365 | — | - | - | 0 |
四国 | 1 | 73 | 1 | 73 | — | - | - | 0 |
九州 | 9 | 5,480 | 9 | 5,180 | 0 | 1 | 1 | -300 |
合計 | 76 | 24,499 | 76 | 25,163 | 0 | 3 | 3 | 664 |
資料:JATMA
備考1:
自治体が不法と認識しているもので、1件あたり、1,000本以上の案件を集計
2:
廃タイヤの重量は、10kg/本として集計
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
不法 投棄 |
(注1) | 32,026 | 27,677 | 26,991 | 26,363 | 24,499 | 25,163 |
(注2) | 3,745 | ||||||
件 数 | 89 | 75 | 70 | 69 | 76 | 76 |
資料:JATMA
注1:不法投棄のうち、行為者が特定されているもの(旧:不法集積)
注2:不法投棄のうち、行為者が特定されていないもの(旧:不法投棄)
廃タイヤの不法投棄を減らすため、2005年から原状回復支援制度の運用を続けています。
2005~2022年度の18年間の累計では、計23事案に対し、3億7,926万円を支援し、299万3,013本、30,117トンの廃タイヤを撤去しました。
2023年度も、引き続き本支援を継続します。
No. | 自治体名 申請者 |
撤去作業期間 | 撤去量 | 撤去費用(千円) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
開始~終了 | 本数(本) | 重量 (トン) |
支援額 | 総額 | ||
1 |
兵庫県 加古川市
ひょうご環境創造協会
|
2005年3月~2005年5月 | 37,400 | 374 | 6,490 | 9,740 |
2 |
兵庫県 安富町
ひょうご環境創造協会
|
2005年2月~2005年3月 | 22,100 | 221 | 7,245 | 10,868 |
3 |
岐阜県 養老町
養老町
|
2005年10月~2005年12月 | 72,400 | 683 | 19,719 | 29,579 |
4 |
栃木県 佐野市
赤見地区廃タイヤ撤去委員会
|
2006年1月~2006年2月 | 76,000 | 760 | 13,637 | 20,456 |
5 |
兵庫県 神戸市
神戸市
|
2005年5月~2005年11月 | 462,900 | 4,629 | 20,000 | 162,000 |
6 |
栃木県佐野市(第2期)
赤見地区廃タイヤ撤去委員会
|
2006年11月~2006年12月 | 225,400 | 2,254 | 30,000 | 49,800 |
7 |
兵庫県 神戸市
神戸市廃タイヤ撤去処理実行委員会
|
2006年10月~2006年12月 | 46,649 | 382 | 7,198 | 10,800 |
8 |
鳥取県 鳥取市
鳥取市
|
2007年5月~2007年10月 | 307,700 | 3,077 | 30,000 | 45,020 |
9 |
長崎県 大村市
長崎県
|
2007年7月~2007年12月 | 235,700 | 2,357 | 21,086 | 31,630 |
10 |
長野県 中野市
牛出地区廃タイヤ撤去委員会
|
2007年10月~2008年3月 | 327,400 | 3,274 | 30,000 | 45,000 |
11 |
埼玉県 行田市
埼玉県/行田市/埼玉県産廃協会
|
2007年11月~2008年3月 | 100,000 | 1,000 | 11,550 | 19,339 |
12 |
栃木県 宇都宮市
さるやま町廃タイヤ撤去委員会
|
2007年12月~2008年2月 | 35,000 | 354 | 5,329 | 7,993 |
13 |
長崎県 長崎市
長崎市
|
2008年10月~2008年12月 | 50,100 | 501 | 10,834 | 16,251 |
14 |
鳥取県鳥取市(第2期)
鳥取市
|
2008年5月~2008年11月 | 300,000 | 3,073 | 30,000 | 45,000 |
15 |
長野県中野市(第2期)
牛出地区廃タイヤ撤去委員会
|
2008年6月~2008年7月 | 110,000 | 1,132 | 14,737 | 22,834 |
16 |
埼玉県 栗橋町
埼玉県/栗橋町/埼玉県産廃協会
|
2009年1月~2009年2月 | 150,000 | 1,487 | 27,480 | 41,220 |
17 |
和歌山県 すさみ町
すさみ町
|
2009年1月~2009年3月 | 50,521 | 404 | 6,552 | 9,828 |
18 |
鳥取県鳥取市(第3期)
鳥取市
|
2009年6月~2009年12月 | 129,200 | 1,292 | 20,900 | 31,350 |
19 |
新潟県 新潟市
新潟市
|
2010年1月~2010年3月 | 130,000 | 1,372 | 23,862 | 35,793 |
20 |
北海道 石狩市
石狩市厚田区望来廃タイヤ撤去協議会
|
2009年11月~2009年11月 | 64,000 | 640 | 4,681 | 7,022 |
21 |
千葉県 流山市
流山市
|
2012年1月~2012年3月 | 24,000 | 240 | 4,230 | 6,344 |
22 |
岐阜県 瑞浪市
瑞浪市
|
2016年2月~2016年8月 | 9,836 | 361 | 16,602 | 24,903 |
23 |
福岡県 嘉麻市
嘉麻市
|
2022年2月~2022年11月 | 26,707 | 250 | 17,126 | 25,690 |
2005~2022年度累計 | 2,993,013 | 30,117 | 379,258 |
タイヤのロングライフ化と軽量化の2つに焦点を当てたリデュース(Re)係数という考え方を採用し、新製品開発時における設計上のベンチマーク的効果を狙いとしたリデュース(Re)達成率のモニタリングを推進することで、廃タイヤ発生量の削減効果(目標10%、実効として3〜5%)を実現できるよう努めています。
また、近年、タイヤに要求される性能は、車外騒音の低騒音化、ウェットグリップ、転がり抵抗等、多様化しており、これらとのバランスを考慮することも重要になっています。
資料/JATMA
注)
※2007年期から、7.50R16(小形トラック用)の代わりに245/70R19.5(トラック・バス用)のモニタリングを開始しました。