年頭所感 日本自動車タイヤ協会会長 東 正浩

2022年1月1日

一般社団法人 日本自動車タイヤ協会
会長 東 正浩

 2022年の年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年も、新型コロナウイルス感染症への対応に社会を挙げて取り組んだ一年でした。一昨年の世界的な流行の発生以降、累次の緊急事態宣言の発出とコロナワクチン接種の普及等により、新たな変異株出現による攪乱要因はあるものの、爆発的な流行の抑制が期待されています。この間、不幸にも亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご親族の皆様へお悔みを申し上げます。また、人々の生活を守るために尽力されている医療、介護はじめとする関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。

 早二年になる流行期間の中で、我々の生活は大きく変わりました。ヒトとモノの移動は世界的に大きく制約され、その代替として「オンライン」の活用が職場や家庭で大きく進んでいます。一方で「リアル」への希求も強く、社会・経済活動のコロナ以前の水準への復帰は人々の渇望するところです。治療薬の開発やブースター接種の普及等によって感染対策と社会・経済活動の両立が実現し、本年が新型コロナウイルス感染症終息の年となることを強く願っています。

 コロナ禍が終息に向かえば、制約されていたヒトとモノの動きは、再度、増大の道筋を辿ることになります。こうした中で人は、その根源的な欲求である「モビリティ」を求めます。自動車はモビリティの主役であり、自動車タイヤはこれを支える最重要な商品の一つです。自動車は現在、技術的、社会的に大きな変革の中にあります。その先行きを見通すことは困難ですが、どのような未来になろうともタイヤはモビリティを支える最重要な商品の一つという位置付けを失うことはありません。

 こうした位置付けを持つタイヤにとって達成すべきは「安全」、そして「環境」です。自動車を利用する人々の生命を守るとともに、同時にタイヤの製造・利用・リサイクルの過程で生じる環境負荷を極小化することが、タイヤに求められる普遍的な価値と考えています。自動車タイヤという商品をグローバルに提供する我々は、この普遍的な価値を高い次元で両立させていくことで、グローバルなモビリティの発展に貢献していきます。

 コロナ禍の行く末をはじめ先の見通しが利かず厳しい環境が予想される本年ですが、山積する様々な課題の解決に向けて一歩一歩着実に歩みを進めていきます。関係する皆様方の変わらぬご支援、ご鞭撻を本年もよろしくお願い申し上げます。最後に、タイヤ産業に関わる全ての皆様方にとって本年が実り多き年となりますことを祈念し、私の新年のご挨拶とさせていただきます。

以上